ファイアーエムブレム 風化雪月
蒼月の章 レビューとクリア感想
総合評価
評価:名作
闇落ち王子の復活劇。
初回で選んだルートなので、一番印象に残っています。闇落ちから立ち直る熱い展開。最後まで、物語を楽しむことができました。
5年後、ディミトリが闇落ちしたのはなぜ?
ダスカーの悲劇、心の拠り所だった少女が宿敵になる。
なにかと不幸体質の王子。
ディミトリが闇落ちした原因はこういった心労の積み重ねなのかもしれません。
また、ダスカーの悲劇のせいで父親である国王をあまり知らずに育ったことも一因に思えます。
国王やロドリグは武人として生きてきたので、戦乱の世を乗り越える死生観を持っていました。ディミトリはそういった視点を身に着ける機会に恵まれなかった。
ドゥドゥーやエーデルガルトからも平和な時代に生まれていれば名君になれたのに・・・という話があったように、根が優しいところが時代にそぐわなかったとも言えますね。
王子ディミトリの復活
ロドリグの尽力もあり、王子は復活。
死に際にロドリグは「死者は信念を持って生を全うしたのだ」と説くことで、ディミトリの考え方を改めるように即しました。また、国王の面影しか知らない王子に対して、父親の武人としてのエピソードを伝えます。
この説得で王子の内面は大きく変化しました。
プレイしていた時は少々唐突な印象もありました。しかし、吹っ切れるというのは瞬間的なことなので描写としてはそれほど間違ってはいないのかなと今では思います。
意図せず「闇に蠢くもの」との戦いが終わる
王国軍は意図せず「闇に蠢くもの」を壊滅させる
アランデル公が真の姿であるタレスにならないで討たれてしまう展開は若干間抜けに感じました。帝都に向かうはずの王子が、急にテオドラに向かってきて意表を突かれた・・・と無理矢理納得させるしかないのでしょうか。
ついでですが、コルネリアもタレスと同様に真の姿すら見せないというのも少し残念な点でした。
他の主人公の物語との兼ね合いもあって、ディミトリ編では「闇に蠢くもの」関連のイベントは起こさないというルールの上で作られたことの弊害に見えます。
不自然に感じる部分がいくつかありました。
ダスカーの悲劇の真相、パトリシアの話が深堀されない
ダスカーの悲劇を引き起こしたと目されるパトリシア。
ディミトリの継母であり、エーデルガルトの実母という重要な役柄ですが、作中では多くを語られることはありません。
「闇に蠢くもの」のメンバーであるコルネリアとの繋がり
パトリシアが「闇に蠢くもの」のメンバーなのかはハッキリしません。
ただ、以上の二つからもダスカーの悲劇を手引きしたという点においては、パトリシアは黒と考えるのが妥当でしょう。
娘であるエーデルガルトのことで取引をした結果がダスカーの悲劇の真相だったのかもしれませんが、蒼月の章でハッキリとした描写はありませんでした。
また、他のルートでもパトリシアの名前は出てきません。パトリシアとダスカーの悲劇は物語の根本に関わることなので残念です。
青獅子の学級はディミトリが自分の信念を見つけて前を向いて歩くようになる話だから、過去の真相が明かされることが無くても良いのではないかと好意的に解釈することにしています。
追記:ディミトリとハピの支援会話
DLCコンテンツ第4弾で灰狼の学級が追加されました。
灰狼の学級のハピとディミトリの支援会話でパトリシアについて触れている箇所がありました。
内容としては、パトリシアは「闇に蠢くもの」に利用されていたのではないかというもの。
最後の情報を踏まえると、やはり、パトリシア自身も被害者だったという線で収まるのかなというのが個人的な感想です。
最初にプレイした蒼月の章(青獅子の学級)が一番好き
発売前はエーデルガルトがいる黒鷲の学級から始めると心に決めていましたが、直前で気が変わって青獅子の学級を選びました。最初にプレイした学級なので一番思い入れが深いです。
士官学校時代から危なっかしかったですが、蒼月の章に入って完全に闇落ちしてしまったディミトリのことが心配になって、感情移入してプレイしたことは今も忘れられません。
三つの学級はそれぞれに魅力的でですが、一番好きなのは青獅子の学級です。